けど、あまりの美生の必死さに、俺は頷くことしか出来なかった。





家を締め出され、ケータイで時間を確認する。

6時まであと4時間半もあるし……。



「手っ取り早く時間を潰せる方法……」



何か……何かないか。

脳内に思いを巡らせ、その候補を挙げていく。

だけど、どれもこれもピンとこない。



──昔なら。

昔なら……時間を持て余すことなど、なかったのに。

時間があればボールを握ってバットを振って。

時間が足りないとさえ思う程、あの頃の俺は満たされていたのに。



「……っ」