時間を気にしたことはなかったけど、遅れないようにと監督達が余裕を持って集合時間を定めてくれてたのかな。



「っと、ここやな」

「おう」

「テストお疲れ」

「そっちこそ。じゃあな」



曲がり角に差し掛かり、俺達は軽く手を振って別れた。





玄関の鍵を開けて中に入ると──慌ただしい足音と共に、美生が階段から駆け下りてきた。

そんな美生に圧倒され、思わず後退してしまう。



「た、ただいま……」

「おかえり！でもごめん、まだ駄目！」

「……は？」

「早く帰ってきてって言っちゃったけど、撤回！まだ帰ってこないで！」



……はぁ？

言ってる意味がわからず、思わず首を傾げてしまう。



「6時……！6時まで待って！6時に帰ってきて！」



えーっと……要するに、6時まで俺はこの家に入るなってこと……？

ちょっと……いや、かなり意味がわかんねぇ。