ケラケラと笑う相川に、つられて俺も笑う。

どうせ昔どこかで耳にした学校なんだろう、と自己完結し、俺は掃除用具箱へと歩みを進めた。





“今日は早めに帰ってきてね”、そう言って、美生は今朝俺を送り出した。

その真意を汲み取ることが出来ないまま、桜井と2人で帰路についていた。



「ええなぁ、千速は家近くて」

「徒歩で通える距離だからなぁ。お前は遠いんだっけ?」

「電車で4駅やから遠くはないけど……」



電車は待ってくれないから時間を合わすのが大変なんだと、桜井は言う。

生まれてこのかた電車通学をしたことがない俺には、イマイチピンとこない内容だった。



あぁでも、──試合とかで電車を使ってたことがあったなぁ。