昇降口に着くと、同じ班である相川が坊主頭の誰かと話していた。

靴箱に凭れる相川とは対照に、直立してるところを見ると……部活の後輩か何かか?

その様子を少し離れて見ていた俺と、後輩らしき人物から逸らした相川の視線が絡まり、心臓が跳ねた。

だって今俺、怪しいヤツだって自覚ある。



「遅いぞー、綾瀬」



相川の言葉に、後輩らしき人物も振り向く。

若干の気まずさを感じつつ、ゆっくりと2人との距離を縮めた。



「悪りぃ……桜井に捕まってた」

「なるほど、なら仕方ないな」



俺達2人の会話が始まったのを見て、ずっと真っ直ぐに立っていたソイツは、がばっと頭を下げた。



「それじゃ俺、失礼します!今度の試合、絶対見に来てくださいね!」