教室内では変わらず意見が飛び交っていて、自分には関係ない話と思った俺は、机に突っ伏して意識を手放した。





「──せ……ん。……や……く……」



遠くで声が聞こえる。

どこかで聞いたことのあるようなないような声が。

呼ばれてるのは──



「起きて綾瀬君!」



俺……⁉︎



はっと目が覚めて勢いよく顔を上げると、机の前に1人の女子生徒が立っていた。

色素の薄い毛にウェーブがかかった髪、大きな目。

えーっと、……中沢?相沢?

なんだっけ、覚えてねえや。



「……何?」

「係……看板作りになったから」



言われて黒板を見ると、確かに看板の文字の下に俺の名前が書かれている。

その隣には、芹沢という文字。