放課後、学校の近くにあるファミレスに直行して早2時間。

流石の俺達も真剣にテスト勉強に取り組んでいた。



「ここ解ける人」

「あ、俺わかる」

「神か。教えて」

「高くつくぞ?」

「望むところだ」



聞こえている筈の声も頭に入ってこない。

高校生活最後の中間テストを乗り切るために、余計なことを思い出さずに済むように、ただ今は目の前の長文と闘うまで。



……なんだけど。



「疲れた。数式見すぎてゲシュタルト崩壊」

「俺も。人間見たら臓器の名前しか出てこない」

「……ちょっと休憩すっか」



ファミレスに入って3時間、脳とペンを握る手が悲鳴をあげた。

休憩の言葉に、全員がその場に項垂れる。



「腹減ったー」

「ポテト食いたい」

「頼むか?」

「おー」