文化祭も終わり、学校のムードは完全にテスト一色。

かく言う俺も受験生なわけで、大学受験をすると決めたからには、どんなに高くても乗り越えなければならない壁だったりする。



「綾瀬、今日もファミレス寄って帰るだろ?」

「絶対来てや。相川のスパルタに付き合って」

「はいはい」

「綾瀬は言えば一回で理解出来るからいいんだよ。奏多は何回言っても理解しようとしないから」



元々勉強は出来る方だったけど、サボってばかりいてはわからないところも出てくる。

ツケが回ってきた、ということ……か。



「どうする?飯も食ってく?」



相川の問い掛けにふと、家でおばあさん直伝の飯を作って、俺の帰りを待ってくれている彼女の姿を思い出す。



「あー、俺はいいや。家で食う」

「そ?じゃあ、俺も家にする」

「うちは今日親遅いから、2人が勉強してるの見ながらなんか食べとくわな」

「……お前が一番勉強しなきゃなんねえんだぞ」