「飲むなら学校の外で飲めよー」

「外でもあかんわ」



自然に生まれる笑顔の輪は、つい最近までは遠くから見てたもの。

俺には関係ないことだと、視界に入れることも馬鹿らしくて、疎ましくて。

けど今、触れてみてわかる。

そこは暖かい場所なのだと。

決して必要のないものではないと。



「この後、どこか集まる?」

「お、いいね。賛成」

「俺も。綾瀬は?」

「行こうよ、綾瀬」

「つーか強制参加」



後で美生に連絡しねぇとな、と思いつつ、大きく頷いた。





“今”は、この瞬間しかない。

過ぎてしまえば過去になって、やり直すことなんか出来なくて。