俺がそう言うと、相川は短く返事してグランドの中心へと走っていった。



賑わうそこから、少し離れた木陰に腰を下ろす。

二つとない今日の夜空にも、昨日のような、だけど昨日よりも長く生きた月が輝いていた。



「将来……か」



世の同世代のヤツ等は、どうやってやりたいこと決めてんのかな。

ある日突然見つかるもの?

それとも、死に物狂いで自ら探すもの?



「……わかんね」



頭をがしがしと掻いて、俺は芝生の上に寝転がった。

真上には、まるで漆黒の闇のように生い茂った草木が広がっている。

手を伸ばしてみるけど、空を切るだけで何も掴めない。

月も星も、そう遠くない筈の葉でさえも。