俺を支える美生の存在が手の届かないところに行ってしまったとき、みっともなく崩れてはしまわないだろうか。

近くに迫っているであろう未来を想像しては、怖くなるんだ。



「……弱っちいな、俺」



強くなりたい。

『自分の気持ちを犠牲にしてでも、彼に幸せになってほしいから』……そう言った美生のように。



「綾瀬……」

「……なんて。情けないとこ見せちまったな」



忘れてくれ、と、小さく付け加える。

相川は何も言わず、俺を真っ直ぐに見ていた。



流れる曲調が変わり、場が一気に盛り上がる。

いつも明るく周りを楽しませている相川は、こういうイベントが好きな筈だ。



「参加しねえの?キャンプファイヤー」

「綾瀬は?」

「俺のことは気にしなくていいから。行ってこいよ」