ちゃんと話すのは、多分これが初めて。

移動する気配のない相川に、正直少し戸惑っていた。



「文化祭終わったらテストだなー」

「……あぁ、そうだな」

「文化祭直後にテストって、俺等のこと殺す気だろ」



そう言って相川はケラケラと笑う。

どこか、桜井と似ている気がした。



「いつからだっけ」

「んーとな、確か27から31の5日間」

「……いつもの如くやる気出ねえわ」

「ははっ、確かに」



どこからか、音楽が流れ出す。

どうやら炎を囲んで、ダンスをするらしい。



「綾瀬は進学?」

「一応。……相川は?」

「進学。けどAOで受けたから、もう終わった」



言いつつ、ピースサインを俺に向ける。

それはもう、爽やかな笑顔で。