キャンプじゃないあれのこと、なんて言うんだっけ。

ファイヤーストレージ……は、なんか違った気がする。

……なんだ?



「そのキャンプファイヤーってさー」

「……ちょっと待って。今思い出してるから」

「何を」

「キャンプファイヤーの別名」



俺はいたって真剣。

なのに桜井は一旦間を置いた後、盛大に吹き出した。



「そんなことで眉間に皺寄せとったんか⁉︎」

「……うるせぇよ。モヤモヤするだろ、出かかってるのに思い出せないのって」

「そりゃそうやけどお前……別名って……」



どうやらよっぽど面白かったらしい。

桜井は深く腰掛けていた体を前のめりにして、上戸に陥っている。