「今日って……何日だっけ」

「25の金曜日」

「ありがと。なんか、こっちに来て時間感覚鈍っちゃったみたい」



そりゃそう……なのかな。

毎日決まったつまらない学校生活。

そんな日々を抜け出してきたんなら、全てが違うここはまだ慣れないのかもしれない。



「金は?あんの?」

「え……あ、……そんなに」

「やっぱか」



バツが悪そうな美生に、財布から抜き出した万札を2枚、剥き身で差し出す。



「えっ……。何これ……」

「金」

「それはわかってるよ!でもなんで……」

「生活に必要なものあるだろ。服とか色々」

「でも制服あるし……」