いっそ死んでしまった方が楽だって、そう思ったら止まらなかった。

生きてたって、その意味を見出せない。

どうせ誰も悲しまねえんだから、って。



煮え切らない思いを抱えたまま始まった高校生活は、楽しめるわけもなく。



俺はこんな場所にいる筈じゃなかったのに。

今頃、グランドを我武者羅に駆けて、甲子園を目指している筈だったのに。

そんな、考えてもどうしようもない思いだけがいつまでもぐるぐると渦巻いて、自分の首を絞めてたんだ。



簡単じゃなかった。

簡単じゃなかったんだよ。

野球への想いも、死にたいという思いも──。



明日の自分さえ見えない。

これが、俺の記憶の全て。