耳を疑ったよ。

俺の気持ちなんかちっとも考えてねえ、その言葉に。



だけど、その怒りを露わに出来る程、俺達親子の距離は近くなかったんだ。

なんでもいい、勝手に決めてくれ。

そう告げて、我慢出来なくなった俺は席を立った。



高校には、難なく合格した。

普通の家庭なら、合格祝いとかするんだろうけど……うちはなかったな。

それどころか、帰ってきたと思ったら、今から海外出張だ、なんて言ってキャリーバッグを持って平然と家を出て行きやがる。



傷付いてボロボロになった心を、多分……癒してほしかったんだと思う。

親らしいことなんて何一つしてくれなかったけど、してくれなかったからこそ。

だけど叶うことのないその願いは、やがて死を望むようになった。



死にたいって初めに思ったのは、多分中3の終わり頃。

右肩の痛みと、周囲からの哀れみの目に耐えられなくなったときだった。