単純だなって、自分でも思う。

生きる意味を探すって決めて、たった数日でその欠片を見つけられた気がするなんて。



だけど案外、そんなものなのかもしれない。

こんな小さな出来ごとが、重なって連なって、大きな希望となる。

それは人々のど真ん中に在って、その人を支えていて。



こんなにもすぐ見つかるくらい、日常に溢れてたのかな。

今まで掴もうとしなかった、希望のピースは。



「おいおい、千速ー。何女の子泣かしてんねん」

「うわ、桜井」

「うわとはなんや、うわとは」

「……先生に呼ばれてたんじゃねえのかよ」

「もう終わった。てかほんまに、何してん!女子泣かすなや」