人と関わることを拒んで、殻に閉じこもって。

だけど、



「……よろしく」



決めたんだ。

生きる意味を探すって、そう決めた。



俺の返答に、その場がどよめく。

それに気付いているのかいないのか、桜井はニカっと笑って。



「俺のことは奏多って呼んでな、千速!」



差し出されていた手が、ポケットに突っ込んだままだった俺の手をとって、ぶんぶんと振る。



「……手離して、桜井」

「えー、ケチ」

「……」



手を振り払い、席についても、桜井は俺に話しかけるのをやめなかった。





その日1日、桜井はずっと俺につきまとってきた。

左右前後、全てからクラスメートの視線が突き刺さる。