すると、担任から予想外の答えが返ってきた。



「お前がいない間に、転校生が来た」

「高3のこの時期に……転校生、ですか」

「あぁ。なんでも、親御さんの仕事の都合で大阪から引っ越してきたんだそうだ」

「……大阪……」



その言葉に、美生の姿を思い浮かべた。

アイツも大阪だっつってたっけな。



「卒業まで少しだけだが、同じ教室で過ごすんだ。関わるにしろ関わらないにしろ、顔だけは知っておけ」



そう言って担任は席を立った。



相変わらず担任は好きには到底なれないけど、今回のことは正直ありがたかった。

退学なんて、出鼻挫かれるようなもんだからな……。