きゅっとネクタイを結ぶ。

いつも通りのような──だけど、いつもと少し違う朝。



「本当に……大丈夫?」



心配そうに俺を見る美生に笑ってみせた。



「あぁ」



5日間の謹慎が明け、あれから初めて登校する。

返事を聞いても尚不安そうな美生の頭を、くしゃっと掻いてやった。



「……行ってくる」



美生を残して家を出る。

空を見上げれば、青空が広がっていた。



……大丈夫だ。

空はきっと、俺を味方してくれている。





「反省文を10枚。今週中に書いてこい」



そう言って押し付けられた原稿用紙。

想像していたものとはかなり違い困惑する俺に、担任が小さく溜め息を吐いた。