言われるまでも無い。四大妖精選別委員会
である以上、それを見ない理由が無い。

「では、拝見させていただきます。」

 ………。
 数瞬の沈黙。そして―

「わかりました。不本意ながらも、彼が候補
者になることを認めざるを得ないかも知れま
せん。」

と、一統。
そして、それを聞いた会長は皮肉でこの会議
に幕を降ろす。

「別に君達に認めてもらう必要は無いんだけ
れどもね。」

――――――――――――――――――――

後日。

「おーい、楓~。」
「何だよ、陵。大声で呼ぶな。」
「くっふっふ~、そんな事言ってていいのか
な〜?」
「はあ?意味解らん。」
「ねえ?椛~?」

 後ろから、椛が現れる。

「むふふ~。お兄ちゃんすごい事になってる
よ~。」

 何の事だかさっぱりわからない。
もったいぶらずに教えてくれ。

「あのね~、あたしが独自のルートから仕入
れた情報なんだけどね~…」

 と、陵。
 いいから、早く言え。と念を込めて軽く睨
んでやる。

「なんと!お兄ちゃんが四大妖精様の候補
に!!!!」

 …………はあ?

「今日は4月1日じゃないぞ?馬鹿も休み休み
言え。」
「だ~か~ら~、ホントなんだって。いや~
楓もさ、椛に似て可愛い顔してるからね~。
なんか、『男だからこそいい』とか『むしろ
萌える』とかって男から人気らしいよ~。」
「大丈夫、お兄ちゃんが四大妖精様になって
も、誰にも渡さないよ。私だけの物~。」

 俺は目の前が真暗になるのを感じていた。