始業式。
寒い体育館の中、全校生徒が校長の長い話を立ったまま聞かされていた。

足はガクガク、体もガタガタの状態になった。

千華も校長の長い話は苦手だ。


あの日以来、隼人からの連絡はない。

千華からもしていない。

クラスは同じだが、隼人のモテっぷりはただものではないため、地味な私なんかと話す機会はなかった。

千華はホッとしている。

今はあまり隼人とは顔を合わせたくないし、話したくない。

あんなもの見てしまったら誰だってそうだろう。

千華は自分の席で、修学旅行のプリントを眺めていた。

そう、明日は大阪まで修学旅行なのだ。
ちなみにここは東京。

皆もあまり行ったことのない場所っていうのもあり、明日のことで話が盛り上がっている。

千華は学級委員のため何かと準備を任されていて、忙しくなりそうだった。

一番千華が…いや修学旅行に行く全員が思ってることであろうことは、

”何故始業式の次の日が修学旅行なのだ”
ということだった。

先生いわく、
「冬休みで気が緩んでるかもしれないが、その緩みを外すために…」
っと長い説明が続く。