千華たちはベンチに座り、恋バナというやつをした。

「村尾くんはどうして、私に好きな人いるの知ってるのに、告白してくれたの?」

「う…ん。分かんない。
でも、好きなんだったら気持ち伝えなくちゃ勿体ないもん」

「………そんだね」

千華は少し間を置いて笑顔で言った。私も…伝えれるかな。

伝えれるよね。

自分にそう、言い聞かせた。

「千華ちゃんマジ可愛い…マジ天使…。ねぇ、やっぱ付き合おう!」

「えっ!?だから私好きな人いるって…」

呼び捨てだし…。

それに妙に顔近い近い。

村尾は千華に接近してきた。

っとその時。
誰かが千華の腕を掴み立ち上がらせた。

振り返ると隼人だった。

「隼人君!?どうして…」

隼人と会う心の準備がまだ…。

「なんだよ!隼人邪魔すんなよ」

村尾は隼人に少し突っかかるようにして言った。

隼人は村尾の言葉なんて聞く耳をもたず、千華の腕を掴み小走りで村尾から離れた。