「何?」

私が問いかけると、村尾は少し赤い顔になり

「ちょっと話があるんだけど…良いかな…」

「うん。良いけど?」

思ってる事と逆の事を言ってしまった千華。
後から後悔。

ココでは話ずらいからってことで、広場らしき場所まで連れていかれた。

村尾を立ち止まり、私も立ち止まった。

村尾が千華の肩を握った。

千華がビクッっとして下を向いてしまった。

村尾は息を吸い話始めた。

「…好きです!お、俺と付き合ってください!」

予想外の言葉に千華は驚いてしまった。

当たり前だ。

人生初の「告白される」という状態に驚かない方がおかしい。

何を言って良いのか分からなかったのでまず、手をどけてもらうために、

「あの…痛い…」

痛くないけど、手をどけてもらうためにはこれが一番適しているだろうと思ったまでだ。

「あっごめん…」

村尾は直ぐに手を放してくれた。

少しの間、村尾と千華の間に沈黙が流れた。

千華はさっき美香に言われた言葉を思い出した。

”気持ちは言葉にしないとわかんないんだよ”っという言葉を。

私は勇気を出して本当の気持ちを村尾に伝えた。

「ありがとう。気持ちは本当に嬉しいんだけど。ごめんなさい。私、好きな人がいるの…」

「うん…そっか。ってか知ってる」

「えっ!?何で?」

「だって、恋してる女の子は可愛いんだもん!」

「村尾くん…」

村尾は歯を見せながらニコッと笑った。