私はまだドキドキが鳴り止まないのを、必死に抑えながら、水を彼の元へと運ぶ。




「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりでしょうか?」



外を見ていた彼は私の声に気づき、顔を上げた。






今日のネクタイも可愛い。


ネイビーに水玉模様の柄が入っている。




透き通ったその目はいつも吸い込まれそうになる。


くせ毛なのか、パーマなのか、クルクルっとうねった髪がよく似合う。




「コーヒー、ブラックで。」


少し薄い唇が動き、いつもの注文。