無言の車内。


そうしているのは自分だけど。



「チョコレート、いかがですか?」



運転手さんがおそらく赤信号で止まったであろう時にそう言った。



「ありがとうございます。」



輝の声。


私はそれでも顔を上げなかった。


運転手さんには申し訳ないけど。