顔はあげられない。


それが伝わったのか、輝は私の腕を引いて、そこまで連れて行ってくれた。


太陽の暖かさと排気ガスの匂いを感じた。



「お、まだ40分前でも待っててくれてるぞ。」



その声の後、車の座席の感触。


それと、お帰りなさいませ、の言葉。


運転手さんは何も言わず、車を出してくれた。