……そんなことわかってる。だって、もう辛いから。泣きたいよ…言いたいよ。





「頼りたくないのっっ」





もう…関係ない人を巻き込みたくない。自分の失恋なのに。





「頼れよっっ……俺がいるだろ」

「…………っっ」




今、そんな頼もしいこと言わないで。すっごい頼りたくなる。差し出された手を取りたくなる。




「いや……無理」

「グチグチ言うな。辛いなら頼れっっ」





紺が大声で叫んだのと同時に電車が急停車する。そして、周りに押されて私に寄りかかる紺。

………近いって。





「なぁ……もう無理するなよ、葵」