「じゃあ、どうしてここに連れて来たんですか?」

「あーそうだなぁ。大切な人を失うのは辛いぞってことを伝えるために」




……そうなんだろう。辛いんだろうな。



「両親海外だろ?だから、心配してるんじゃねーかなぁって」



確かにパパとママは何処にいるかわかんない。連絡全然無いし。でも……。




「心配してないよ。大丈夫、あの2人なら」

「何その自信」




能天気な2人だから、大丈夫…だよ。




「桃里さん辛いの?」



私は逆に聞く。
なんか、今の顔、とても辛そうだから。



「うん、辛いな…大切な人失ってるからなぁ…」




…やっぱり………。

私は桃里さんの腕をぎゅっと握る。