「ここな、俺の親父の墓」




手を合わせ終わったあと、桃里さんが教えてくれた。




「……え…?」




桃里さんのお父さんのお墓。



「交通事故で…俺が16の時に死んだんだよ」




今から4年前。
桃里さんが私ぐらいの時。
もし、パパが死んだらなんて……想像できないし…したくない。




「そんな暗い顔すんなって。俺が心配か?」




心配っていうか……。うーん……まぁそうなのかもしれない。




「……う…ん」

「大丈夫だから、笑え」




くしゃくしゃといつものように頭を撫でる桃里さん。