そして、俺はオーナーに辞める事を告げた。

すんなりとオーナーは首を縦にふった。



一か月前では考えられないことだっただろう。



そして、事務所を出た俺を

待ち構えていたかのように

たった今、NO.1になった奴が俺の傍にやってきた。


すれ違いざま

肩越しにそいつがニヤっと不敵な笑みをうかべながら


「オツカレ」

と一言いって俺の肩をポンポンと叩いた。



俺のプライドは

もう溶けて原型がわからなくなった雪だるまを

また踏みにじられた様に

溶けて泥まみれになっていた。