飽きることなく遊び続ける優を店から連れ出すのは一苦労だった。

「好きなだけ・・・。」

と言った自分に少し後悔をしながら沙月がなぜいつも「1個だけ」と約束さすのかの意味が痛いほどわかった。


二度と好きなだけとは言わずにいよう・・・。


そう心に誓いながら


「アイスでも食べよう」の提案にやっと優は納得してゲームセンターを後にしてくれた。


スーパーの下にあるフードコートでソフトクリームを美味しそうに食べている。


本当はCAFEで美味しいコーヒーを飲む予定だったのに

ソフトクリームの模型を見つけた優はそこから動こうとしなかった為、俺は作り置きのコーヒーをすするはめになってしまった。


アイスが段々と溶けて手がギトギトになっているのも構わず美味しそうに舐めている。


子供って不思議だな。


いつから人は人目を気にし、自分を騙し、人に嘘をつき、本当の自分を見失っていくんだろうか。


俺の本当の自分はどんななんだろう・・・。



どの自分が本当なんだろう。



それすらもうわからなくなっている自分と、たった100円の乗り物に乗れるだけで嬉しそうに笑い

たった200円のアイスをものすごく美味しそうに食べる優を見ながら


自分が、というより大人が物凄く貪欲に見えてきて、そんな風に汚れて欲しくないとまだ純粋無垢な優に対して思った。