その、けな気な優がなんだか可笑しくて


俺の吐き出した冷たい空気が少し温もった。


その子は、顔を上げて優を見ると優の頭をゴシゴシ撫でながら

「アリガト。」と言った。



そして、スット俺の方に顔を向けるとパッと顔が変わり


少し勝気な顔で「来月、返すから。キッチリ全額!!」


とキツイ言い方で言うと隣の椅子にかけてある鞄を取り上げ


ツカツカと出口の方に歩いて行った。



CAFEの自動扉の前で一度振り返ってキツイ眼差しで俺と優をチラッと一瞥すると

少し口元が笑ったよに感じた・・・

と確認する間もなく店を後にした。




そんな一瞬を俺は気にもしていなかったのだが・・・。



そんな風に、優は優しい柔かい空気を醸しだす。


その場がポワンっと淡いピンク色に染まる様な

そんな和む空気を優の一言で創り出す。