やっぱりな・・・。

と思い車走らせようとギアに手を置いた時、



優が突然指を指して


「オネエチャン！！」と叫んだ。


指さしたほうを急いで凝視する。


コンビニと隣のビルとの間の通路から私服の彼女が出てきた！


（おおお！！でかした優！！お前はやる時やるねぇ）



優が思わずドアを開けようとする。


俺もつられてドアを開けて

思わず優と一緒に彼女の方へ駆け足になっている。


（おいおいなんて声かけんだよ。こんないきなり。偶然って雰囲気じゃないだろ？！）


そんな事を短い間に考えながら俺はものすごく焦っていた。



こんないきなり焦った状態で女の子に声をかけたことも無いのに


その女の子は俺にとって一番気になる女の子。



（マジでなんて声かけよう・・・？）



もう彼女が目の前。



向こうも気づいてそうな素振り。


・・・・。



すると、優が

「オネエチャン、オハヨウ！！」



優のその元気な挨拶で突然の異様な出会いの感じも吹き飛ばされた。



「こんにちは。優ちゃん元気だね。」

少しびっくりしながらも彼女がいつもの優しい笑顔で腰をかがめて答えた。

そして、立ち上がって俺の方を見ながらニコッと会釈してくれた。