怒涛のような俺の誕生日が過ぎた。

やっと一日が終わったのは、もう朝日が昇りきった通勤ラッシュ前だった。



俺は自分の車に乗り込んでやっと一人きりになることができた。

車のシートを少し倒しながら駐車場から少し離れた大通りを眺めた。



みんな騒々しく歩いている。



スーツ姿から学生服、もちろん同業者っぽい奴もいる。



スーツ姿の生真面目そうな奴が、別れを惜しむようにホストにしがみ付く女を白い目で追い越していく。



俺らは月の世界


あいつらサラリーマンは太陽の世界。



どちらが優劣なんてまったくないけれど

ただ太陽と月

明と暗

光と闇


正反対に俺には感じるだけ。


この正反対の光景が交差する


それを見るのが俺は嫌いじゃない。



人はみんな心のどこかに光と闇を持っていて

そのどちらを表に出すかはそいつ次第。


どんなに冷たい目で見てる奴だって


いつそうやって見られる立場になるかわからない。





人生、いつどう変わるかわからない。



そんな光景を見るのが一人の人生を垣間見るみたいで面白いと俺は感じる。