当日、今日ばかりは優を連れて行く訳にもいかず


オーナーの薦めもあってオーナーの彼女に託児所に預けてもらうことにした。


オーナーの彼女と待ち合わせしている

近くの公園に車を停めた。


少し不安そうな優に俺はかける言葉がわからなかった。



「大丈夫。明日迎えに行くから。」

なんて父親みたいな言葉も


父親らしいことをしたことの無い俺には言えなかった。


そんな言葉は俺には、おこがましい様な


言ってはいけない様な気がしたから・・・。



オーナーの彼女が迎えにきた。

優しそうな、でも派手な彼女だった。



慣れない手と手が握られている

その後ろ姿を少しの間車の中から見送った。


優は不安そうに何度か振り返ったが


俺は手を振ってやることすら出来なかった。



ただ、俺の心に隙間ができて


スーと風が吹き抜けるかのような切なさを感じた。