仕事が終わり、眠い目を擦る優を連れて車に乗り込む。



店を出た時は小雨だった雨が、車を走らせる度ひどくなる雨。

コンビニに着いた頃にはもうドシャ降りだった。




「優、雨降ってるから車にいろよ。」


雨のなか優の手を引くのが面倒だった俺は

窓の外の雨を見ている優の横顔に向けてそう言った。



「イヤダ・・・。イヤダ。イキタイョ。」


そう言う優を無視して車の扉をあけようとした時



優は‘ギャー’と泣き出した。



驚いて振り返ると


優は大きな目に涙をいっぱい溜めて震える声でこう言った。



「オイテカナイデ」



また、あの時の様においてけぼりになると思った


優の精一杯の抵抗だった。