沙月に案内されたのは、小さな写真館だった。

「この一瞬でも家族・・・親子でいたことを、残しておきたくって・・・。

優晴にも将来・・・自分の父親について疑問に思う事があるやろうし・・・

春嬉にも・・・酷かもしれないやけど・・・

忘れないで欲しい・・・んだ・け・ど・・・・」

気を使ったようにうつむき加減で沙月が言った。

俺も、もう二度と優には会わないつもりだったから、ある意味それもいいかと思った。


どうしても記憶は色あせて古くなってしまうから・・・


優と過ごした日々を忘れない為にも


沙月と優に、俺がした事を忘れない為にも・・・