沙月に案内されるまま、二駅ほど電車に揺られることになった。

優は大興奮で沙月の隣で後ろ向きになって流れる景色を眺めている。

「優!!足バタバタすんなよ。」

優の足を軽く叩きながら俺が叱る姿を見て沙月が笑った。

「なんか、しっかりお父さんみたいやね。」

「えっ・・・」

「あたし、実はね・・・優を春嬉に預けてしばらく心配で二人の事見ててんよね。」

「えっっ!!マジで?!」

「そう。監視ってやつぅ?!」

沙月がニヤニヤしながら俺の顔を見た。

「なんだよぉ~!!じゃあなんとかしてくれればいいじゃん。困ってた事もあったのに・・・いつまで??どれぐらいよ?」

「んんん~。一か月ぐらいかな。」

「長っがぁ~。マジで?」

「だって心配やもん!!ちゃんと面倒みてくれるかが。」

沙月が笑った。