沙月との約束の日、「ドコイクノ??」

不思議そうに聞いてくる優に返事も出来ないまま俺は車を走らせた。

俺の心の暗さが優に伝わったのか俺の好きな舌ったらずのBGMは聞けなかった。

(最後に聞きたかったのにな・・・)



優は、いつかの約束通りももちゃんから贈られた

大きい車のおもちゃを大事そうに抱えながら窓の外を見ていた。



沙月との待ち合わせは駅の傍の歩道橋を渡ってすぐの大きな時計の下だった。


車の中から上を走る電車が見えてくると優は

「デンシャや~  ミテミテ デンシャ ハルミテ~!!」

大喜びだった。