パチパチパチ・・・・

切なくも綺麗な光華が俺達の足元をオレンジに染めている。

ポッツン・・・


「終わっちゃたね。」


彼女が少し淋しそうに、砂の上に落ちた線香花火の黒くなってしまった光の蕾を見つめながら言った。


「なんか切ないよね。線香花火って・・・」

「うん。でも線香花火が一番好きかも。なんでだろ・・・じっと見ちゃうし。」


「ちょっと髪の毛臭くなっちゃったかな??花火の煙で・・・」

彼女が自分の髪を少しねじって鼻に近づけた。

髪がサラサラと元の場所に戻って彼女の横顔がまた見えた。

「そう??」
彼女の横髪を手にそっと取って俺も鼻に近づけた。

「そんな事ないよ。いい匂い・・・してるよ。」

手に取った髪に優しくキスをして、そして彼女の耳にキスをした。