あの夏の日

優がソファーで寝てしまい、二人で海の方を向いたベンチに腰をかけて

真っ黒になった海を二人で見てた。


潮の香りが・・・と言いたいところが、漂ってくるのは蚊取り線香の臭いだけだった。


「もう、二人でしちゃおっか。」

「優ちゃん、寝ちゃったもんね。」

「うん。今日しか出来ないし。」

「そうだよね。」

「マンションでなんかしたら、苦情どころか煙で消防車きちゃうかも?!」


優が欲しいと言って買った花火を二人ですることにした。

勢いよく火花がとんで煙と一緒に色の付いた炎が吹き出した。

「すっごい煙!!風がこっちむきだから、すっごいこっちくんだけど・・・。」

「ほんと。ちょっと楽しむって言うより迷惑だよね。」

二人で笑いながら文句を言って色付き炎を見てた。