優と俺はというと

物凄く普通に普段を生きていた。


その中で少し変わったことといえば


たまに求人情報を真剣に見ては

優の託児所を真剣に考えたりする時間が出来たこと。


仕事をするには優を預けずにはいられない。



でも、優と居られる限られた期間を思うと


どうしても一歩踏み出すことが出来なかった。



二人で大の字に昼寝するそんなダラッとした時間も


追いかけ回って服を着せる時間も


散らかした部屋をなかなか片付けようとはしない事に腹が立つ時間も


ゆっくりとしか減らない昼ごはんのまどろっこしいそんな時間も


小さい手を握って買い物に行く散歩道も


キャキャと響く声がする風呂も


慌てて連れて行くトイレも



すべてが俺にとって大事になっていた。



だから仕事は


優とのいずれやって来るその時まで・・・。




そしていつも


フリーペーパーの求人誌は、当り前のようにゴミ箱の中にいた。