楽しく食事をして最後のメインに

ライオンとウサギが笑っている平和の象徴の様なケーキの登場に優は



「わぁ~~~!!」と大声で喜んだ。



電気を消して三本のろうそくが気持ち良さそうにユラユラと揺れている。



そのほのかな灯りの向こうに、

早く吹き消したくてムズムズしている優の笑顔と

それを優しく見守る様な彼女の顔。


そんな様子を見ていたら


ろうそくの幻想的な雰囲気のせいなのか一瞬

俺は感傷にふけっていた。




期間限定のこの生活。


いつの日か、ある日を境にして

この温かさが消えさることへの淋しさを想像すると心がキュッっと硬くなった。



いつかくるその淋しさを想って・・・。


また戻ってくる当たり前のように一人の生活。


落ち着いた静かな生活が戻ってくるだろう。



そして俺は


それが今となっては


侘しい事に気づくのだろう。



その想いを打ち消すかの様に

優のフッと力強く吹いた息に

ろうそくはユラリと大きく揺れるとスッと消えて代わりに暗くなった部屋に白い煙が三本フワ~と立ち上がった。


我にかえったように

淋しさを隠しながら笑ってパチパチと優に拍手をすると


優はクリームを指でとって嬉しそうな顔をしながらペッロとなめた。