ビーフシチューの香りと共に机の上が賑やかになった。


スパゲティーに挟まれて

緑と赤の綺麗なサラダが置かれ


彼女と俺との共同制作のビーフシチューは

揃いの丁度いい皿が無い為に



優はマグカップ


彼女は小さめのカレー皿、


俺はと言うと・・・



味噌汁の器になった。



俺が味噌汁の器にスプーンを入れてシチューをすする度に


彼女はケラケラと笑った。

笑う彼女を見て優もシチューの口鬚をはやしながら


ゲラゲラと笑った。


俺もシチューをすすり続けるのが辛くなるぐらい

笑いをこらえる事が出来なくなって

プッと吹き出しそうになった。




「おいしいね。」

「オイシイナ。」

「うまいね。」


そんな言葉の華が笑顔と共に


いつもの食卓にパッと咲いた。