「寒くない??」


「うん。大丈夫。」

日が沈んで少し肌寒くなって

彼女の細い腕が寒そうに見えて、そう尋ねた。


スヤスヤ寝ている優に自分の上着をかけながら


また話を始めた。


「優の事が店の客にバレてね

俺はあっという間にNO.1じゃなくなったんだ。

それと同時に

俺に愛想を振りまいていた周りの奴らも俺から離れていった。


そんな事を目の当たりにして


自分が空っぽで

うすっぺたくて


自分が今までしてきたことの無意味さとかに気付かされて


なんだか、ますます虚しくなっって・・・。


もっと本気で人と接するべきだったって思ったし


自分の何年かは何だったんだろう・・・。


何ににもならなかったのかと思うと馬鹿らしくなって


自分がすっげえ嫌になった。



でも、最近、俺は思うんだ。」