飴をくわえたまま

優は俺にもたれて寝てしまった。


そんな、平和そうな寝顔の優の頭を撫でていると


彼女が優の顔を見ながら


「春さん、自分が思ってるほど悪い人じゃないですよ。

汚れてなんてないし・・・。


優ちゃんを見る眼は

ホントに優しい眼をしてる。

そんな眼、わざとじゃ出来ないもん。」



もう夕日は水平線ギリギリのところだけを照らしていて

反対の東の空はもう暗く


星がキラキラと輝きだしていた。


波が打ち寄せるその音が静かに聞こえてくる中で



彼女が少し必死に

俺をかばってくれるかのように

いつもより声を上げてそう言ってくれた。




「ありがとう。なんだか俺が励まされちゃったね」


嬉しさと照れくささを隠すように、笑ってそう言った。