優を見つめながら彼女がまた続けてこう言った。


「本当にこれがしたかった事なのかさえも

疑問に思ちゃうくらい・・・。

会社の上司に気を使って

愛想振りまいて

あたしはキャリアで勝負したいのに・・・



女ってのもあるのかな・・・。

ニコニコしてなきゃなんないみたいで


はぁ~・・・。


どの自分がホントの自分かも

なんだかわかんない気がしてきちゃった。

優ちゃんが羨ましい・・・。


したいこと楽しい事に純粋で。



嘘とかタテマエの無い世界にいれて・・・。」


砂浜に落ちていた枝で絵ともいえない絵を無邪気に書き続けている優を

遠い目で見つめている彼女に


海風が吹くたびに髪が優しくなびいて、その髪をかきあげる仕草が

とても綺麗で見惚れてしまいそうになりながら


俺はゆっくり話始めた。