波打ち際にしゃがみ込んで砂をいじっている優を二人で見ながら

何気なく俺は彼女に話しかけた。



「どう?新しい仕事?  慣れた?」


「んん~。仕事には少し慣れてきたけど


こんなはずじゃ・・・って思いが

最近益々強くなってきてて・・・

すっごいストレスなんだろうけど

それが何からくるストレスかもわかんないくらい・・・。」


彼女が視線をおとしながら砂浜の砂を手に取りながら

淋しそうに小さな声でそう言った。



「ストレスか・・・。こんなはずじゃってのはどんな事が?」

遠くに見える夕日の色に染まっていく海を眺めながら聞いた。



「んん~。なんかね。こんな事言うとそんなのあったり前じゃん。

って思われちゃうかもなんだけど

うちの会社が大手だからか

花なんて全然触らしてもらえないし

雑用ばっかりで、なんかね。


そんなのしたくて入ったわけじゃないのに・・・。とか


別に全然、花の事とかわかってないような人に偉そうに言われたり・・・


わかってるんだよ。

入ったとこなんだし

そんないろいろさせてもらえないのも、

でもね、頭ではわかってるんだけど


虚しくなる時とか馬鹿らしくなる時があって

そう思う自分がね

またまたイヤで、自己嫌悪になったり・・・。


そんなクヨクヨしてるのにも腹が立つし

でも、だからって雑用を楽しくやるほどあたしも大人じゃないってゆうか・・・。


はぁ~わかんない。

最近自分がわかんない。」


重いため息をついて、彼女は少し疲れた顔をみせた。