水族館を出ると、風にのってそばにある海の香りが香ってきた。


その香りに誘われるかの様に俺達は海岸にでた。


海水浴にはもう遅いその時間は

忘れられたビーチサンダルや壊れたパラソルなどが淋しそうに落ちているのと


遠くの方で少し早い花火の音が聞こえてくるぐらいで

数時間前の賑やかさが嘘のように静かだった。



海に大はしゃぎの優は波打ちぎわを楽しそうに走っている。


そんな優を見ながら俺達は、あまり綺麗とはいえない砂浜に腰をおろした。



彼女はいつものように、優を見ながら微笑んでいた。