次に、これがもっとも多い誤表記。
“……”
これは正式には三点リーダと呼ばれるもので、沈黙や重苦しい会話の語尾などに用いられます。
これの誤表記は本当に多種ありますね。
“。。。”や“・・・”が最も多く、次いで“‥‥‥”や“、、、”に“...”等々。
このどれもが間違った表記になります。
またこれも罫線と同様2つで1組として用います。
この三点リーダは“てん”と打ち込めば通常変換出来、携帯であれば全角の記号一覧の中にもありますのでそこから引っ張ってくるようにしましょう。
また、これはPCをお使いの方にオススメなのですが。
本項であげた“──”や“……”などを入力するとき、わざわざ“けいせんけいせん”と入力したり“てんてん”と入力しなければならないのは面倒ですよね。
そういうとき、画面の右下にある『言語バー』に注目してみましょう。
そこに『ツール』という項目があるはずです。
そしてそこをクリックすると中に『単語登録』もしくは『新語登録』という項目があるはずです。
そう。
ここであらかじめ“──”を“けい”と登録しておいたり“……”を“てん”という具合に登録しておけば、便利になるということですね。
例えばこれは作中の人名などにも使えます。
通常では一発変換されない漢字の組み合わせで名前を作っていても、この機能を使えばいつ何時でも面倒な入力を繰り返さなくともスムーズに変換が可能になってきます。
携帯ユーザーの皆様。
ご心配なさりませぬよう。
これと同様の機能がちゃんと携帯にもついています。
機種にもよりますが『文字入力』に関する項目一覧の中に同じように『単語登録』の欄があるはずです。
ただし携帯の場合はPCよりも優れた『次入力記憶機能』がついているものもありますので、それと平行してうまく活用していくと良いでしょう。
さて、以上3点が最も基本的かつ良く見受けられる表記における勘違いです。
これは小説における基本的なルールとなります。
私が何故これを一番初めに持ってきたのか。
確かに、携帯小説はこれまでの小説とは一線を画したジャンルだと思います。
それはいわゆる『自由な表現の場』であるということ。
ですが、もし、あなたがいずれ自分の作品を書籍化したいと思ったりどこかの出版社の賞に挑戦したいと考えたとき、絶対的に必要となってくる知識だからです。
どれだけ優れた物語であろうと、1次審査では深い内容まで読んではもらえません。
まず、誤字脱字の添削でふるいにかけられます。
そしてそれには今挙げたものも対象に入ります。
ですからあなたがより高いレベルを求めたいのであれば、これらのことにも気を付けるようにしてみて下さい。
そしてこの後に挙げていくこともまた、同様に基本的かつ重要ことが含まれていくことを理解し、読み進めてみて下さい。
表記その2
さて、先程までお話したものだけで細かいところは終わりかというと、そうではなく。
もういくつかありますのでご紹介していこうと思います。
これからお話するのはいかにも携帯小説だからといえるお話です。
一概に間違いとは言い切れませんが『小説』という観点からいけばなるべく気を付けていきたいところだといえるものです。
皆さんは会話で感情表現するさいに『感嘆符』を用いると思います。
“!”や“?”ですね。
さて、これを用いた表現に“!?”や“!!”といった組み合わせを使うことがあります。
意外とここに気を付けていない場合があります。
実はこれにもきちんとした形があり、先に表記した形が正しいものとされています。
では間違った例とは。
■
1.「え?!」
2.「え!?」
3.「え!!!!!」
■
です。
おわかりになられますでしょうか?
順に説明しますと、
■
1.感嘆符の順番が逆。
2.半角になっていない。
3.連ねすぎ。
■
と、なります。
『1』の理由は、それが規則だから、といってしまえば簡単なのでしょうけれど、案外と人の感情の流れに沿っていけば説明がつきます。
“!?”は主に驚いたときに用いられますが、人は驚くとどのような感情の流れを起こすでしょうか?
まず、その出来事に対し反射行動を起こし(ビクッ、となる)、その後疑問符が頭を駆け回るのではないでしょうか。
記号を書くことも表現の、描写の一部だととらえるならば、つまり“!?”この順番になるということになります。
ただし、昨今では当たり前のように“?!”の順番で使われていることが各メディア媒体であります。
ですがあえて私はここでそこに「待った」をかけたいと思います。
その理由は、先ほどお話しした通り。
とはいえ、メディアで認められている以上、間違いではないということだけは記しておきます。
次に『2』と『3』ですが。
これは両方とも同じ理由です。
この2つを縦書きにしてみましょう。
■
え
!
?
え
!!
!!
!!
■
となってしまいますよね。
つまりはそういう違和感が生まれてしまうので避けましょうということなのです。
ちなみに出版社に送る作品の場合、主に縦書きのものを紙に印刷するようになりますが、そのために例えば『一太郎』等のソフトを使うと思います。
それらのソフトにはきちんと機能として1マスに『!?』と表記出来るようになっています。
もしその機能がついていない場合は全角2マスで表記してもよいことになっていますが、その際には作品とは別にその機能がない旨を書き記しておく方が懸命でしょう。
それから『3』については基本的に“!!”と2つまでがベストですが、一応“!!!”と3つまでであれば先程のソフトなどでは1マスに収めることが可能なので、編集者に認められる場合もあります。
ですがなるべくなら避ける方が良いでしょう。
わざわざ危ない橋を渡る必要もありませんからね。
ここからは特に携帯小説でのみ使われているものになります。
小説を書いていく上でこれまでに記した表記の他に、携帯小説では以下のような表現が使われていることがあります。
■
【1】「なんちゃって~☆」
【2】「えへへ///」
【3】「ちょ、ちょっとまってよ(汗」
【4】「あはは! あるある(絵文字)」
■
等ですね。
【1】は図形文字。
他にわかりやすいのは「♪」なんていうのもありますね。
これらは最近のライトノベルではたまに使われている表現なので大丈夫といえば大丈夫……なのですが、あまりオススメはできません。
その理由は最後にまとめて。
【2】はスラッシュで照れの表現に使われている例ですね。
他にあるとすれば「;」という冷や汗の表現でしょうか。
【3】は見たまま。
他には「(笑)」であったり「(泣)」などがありますよね。
【4】は絵文字。
さて、これらに共通する点は何でしょうか?
先ほど挙げた4つに共通する点。
それは“メール”です。
これらは既存の小説では用いられることのなかった表現で、むしろタブーともいえる行為。
【1】に関しては先に述べた通り今現在使われていることもありますが、これにしても本当にほんの少し前までは使ってはいけないことでした。
とはいえ。
【1】のような例がある以上、他についても今後それが携帯小説におけるスタンダードとなる可能性は十二分あります。
ですが、あえてここで私はそれに“待った”のひと言をかけようと思います。
その理由が“メール”というキーワード。
ここからはとても厳しい言葉が続きますので覚悟の程を……